中小企業庁:不当な下請代金の減額の防止に係る要請について

物価上昇を上回る賃上げを中小企業でも実現するため、価格転嫁をはじめとする取引の適正化を進めることが重要です。

中小企業庁においては、事業所管省庁と連携しつつ、官民一体となって取組を進めてきたところでございます。

令和6年3月7日、公正取引委員会が、日産自動車株式会社に対し、同社が下請事業者との取引で用いていた「割戻金」の運用について、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)が規定する「下請代金の減額の禁止」に違反する行為が認められたとして勧告を行い、今後、下請法の遵守体制を整備すること等を求めています。

下請事業者の責に帰すべき理由がないにもかかわらず、親事業者が下請事業者に対して支払う下請代金の額を減じて支払うことは、下請法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反するものです。

価格転嫁をはじめとする取引の適正化をサプライチェーン全体で進めている中、こうした事案が生じたことは極めて遺憾です。

中小企業庁としては、公正取引委員会と連携しつつ、引き続きこうした事案に厳正に対処してまいりますところ、貴団体におかれましても、今般の事案を契機に、傘下会員の皆様に対し、不当な下請代金の減額に係る下請法に違反する行為の未然防止に努めるよう促すなど、取引適正化に資する取組を一層推進していただくようお願いいたします。